小島イチカ文化録 #03「ポプテピピックは何故バズったのか?篇」

名前か画像どっちかは見たことあると思うんですが、

最近世間で絶頂話題沸騰中の糞アニメ「ポプテピピック」

なんでこいつが流行ってしまったのかを僕なりの考察で簡単に書いていこうと思います。

 

そもそもポプテピピックって何?って方へ、以下のような画像をtwitterで見かけたことはないでしょうか。
見ててちょっとイラっとする女子高生たちがポプテピにたった2人だけ存在するメインキャラです。

簡単に言えばこいつらが世間に中指を立てたり、ぶっ飛んだことを考えたり、腐ったり、煽ってきたり、コンプライアンスすれすれのことを連発する、
そんな日本の恥さらしみたいな漫画が、大川ぶくぶ氏作のポプテピピックです。

恥さらしって言ってるけど大好きです。僕も漫画は買わせていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

『TVアニメ「ポプテピピック」公式サイト』

 

まあ詳細はアニメ見るか漫画見るか、twitterで調べればなんとなくわかると思います。
本題の「なんでこいつらが今流行っているか」のお話です。(DVDの売り上げ、初動で4200枚だってよ、やばい。)

 

「ポプテピピック」これを略さずに言うと「POP TEAM EPIC」、つまりこいつらのポップなできごとを作品にしたものなんですが、

簡単に言えば、「ポップだからバズった」の一言だと思ってます。

 

そうなると「ポップってなんだ?」ってのが大事なお話。

 

ポップってすごく可愛い感じで万人受けしそうな感じのものに使われる言葉だと思うのですが、

世の中への批判、言ってしまえば誰かをバカにするようなブラックユーモアはポップに乗せないと世間には広まらないっていう仕組みがあって、

それでいてブラックユーモアが足りない時代だったってのが理由です。

言ってしまえば、みんな「まあ、確かに」って感じだとは思います。

ポップでない社会批判はどこかのタイミングのフィルターを通れない可能性が高いのも当然の話で、
なんか危ないもんね。

それをポップな媒体に混ぜておくと、世の中には吸収されやすくなるっていう簡単な仕組みだと思っています。

 

 

ポップなものって過去にどんなものがあったかと言うと、

例えば音楽で言えば日本語ラップを当時のブームにした「電気グルーヴ」の音楽であったり、

それこそ”キャンベルのスープ缶”や色々な色彩で描かれたマリリンモンローの絵で有名な「アンディ・ウォーホル氏」の絵であったり。

「ポップ」には世の中への揶揄的な表現が隠されていることが多い、それでいで大手のメディアも取り上げる。
そこに一種のロマン的なものを感じて偉い人も偉くない人も、それを高く評価してしまうことがこれまでも世界で何度もあったんだと思います。

それで近年の日本に目線を戻すと、東北の大震災であったり政治家たちの不祥事問題であったり、
世の中は「ふざけている場合じゃない」って空気があったのが5年前くらいだと思います。

そこからやっぱり時代は回るもので、改めてポップが欲しくなる時代が回ってきたのかなと。
10年前に全盛期でありながらメディアには取り上げられず、一旦鳴りを潜めていた「RADWIMPS」も当時はポップでシニカルな曲が多かった、
それが今やっと認められる時代になった結果の、今の大ヒットになっているように思います。

渡辺直美野性爆弾のくっきーのようなビビッドな印象の作品を生み出す芸人が流行っているように、
正統派よりが変わり種の芸人が評価されていませんか?

「ヤバいTシャツ屋さん」、「キュウソネコカミ」、「岡崎体育」など、
ポップなサウンドに乗せて、公的には語りづらいポイントをぶっちゃけて全国に配信してくれる革命家たちが今の日本で突っ走っているような気がしていませんか?

 

裏ではもちろんそうじゃない作品を作っているアーティストもたくさんいます。

単純に「メディアに露出している」という点では上記にあげたものがより割合をしめているかと。

もちろんそのポップさも、どれも何も上質なもので真似しようとしてもすぐできるものではありません。

今すぐに売れる作品を作るとしたら、「上質なポップに乗せたシニカル」を作るのは一つの近道だと思います。

 

 

 

 

ちなみにポップが終わったら、次はオルタナでわかりづらい音楽が流行る時代がくると思ってる。

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